生徒が音大に行きたいと言ったら

ピアノ

こんにちは!ゆかりです。

私は高校生の時に、音大に行きたかったのですが、母の反対を受けて行くことが出来ませんでした。

「あなたは一握りしか成功しない音楽の世界で、音大を出て何になるの?」と言われ、「音楽が学びたいだけなのですが。。。。」と泣きながら眠れなかったのは良い思い出です。

今、私は音大を出ていないピアノ講師をしていますが、もし生徒さんが「音大に行きたい」と言ったらどう対応するか。

今日は、音大に行くことについて考えてみたいと思います。

 

私の師匠、けーさんの話

まず初めに、私には3人の師匠がいます。

音大のことを話すのに、音大を出ていない私が何を言っても説得力がないと思うので、今回は師匠のけーさん(桐朋学園大学ご卒業)にお話を伺いました。

師匠なのに「けーさん」って!と思われるかもしれませんが、この生徒と先生のフラットな関係が、和やかな空気を作り、可能性を広げ、お互いにとって良い関係を結べます。

けーさんとのレッスンでは、まじめな話から、妄想話、脱線に脱線を重ねる話など、幅広い話が泉のように湧き出て来て、良いアイディアが生まれます。

今回も音大についていろいろな角度からお話を伺いました。

 

音大では何を学ぶのか

生徒が音大に行きたいと言ったら、まず、音大で何を学ぶかを一緒に確認します。

音大では、主に3つのことを学ぶそうです。

一つ目は「実技」

自分の専門の楽器の技術を磨きます。

ピアノ・声楽・トランペット・クラリネット・・・etc

さまざまな楽器がありますね。

そして、自分の専門の楽器のほかに、「副科」として、もう一つ楽器を選択するそうです。

音大の授業として、他の大学と違うところは、この「実技(楽器を演奏するスキル)」を高めることです。

大好きな楽器を、大学の時間を使って極められることは、幸せなことですね。

 

2つ目は、「音楽に関する知識」です。

これは、音楽史、楽曲分析、和声学、ソルフェージュ、聴音など、音楽を深めるための知識を学ぶそうです。

音大に行きたかった私からすると、どれもとても魅力的です。

私はピアノ講師ですが、音楽史で時代背景を調べるのも好きですし、和声学で音楽の構成を学ぶのもとても楽しいです。

大学に入ると、さまざまな角度から、音楽をとらえることができますね。

 

3つ目は一般教養です。

音楽大学も、「大学」なので、比重は少ないですが一般教養を勉強します。

私は音楽だけ勉強できると思っていたので、「音楽大学だからと言って、音楽だけ勉強するわけじゃないのだよ~」とお聞きできたのが良かったです。

以上、ざっくりわけて3つのことを勉強できるのが音楽大学だそうです。

 

音大に入ってよかったこと

次にこんな質問をしてみました。

「音大に入って良かったことは何ですか。」

けーさんは

「音大に入って良かったよいうよりも、ついた先生が良かったですね」

この質問を何人かの先生にしたことがあるのですが、「ついた先生が良かった」とお答えになる先生が多いです。

知り合いの先生も、以前、音大に行きたい生徒のことで相談した時に「大学で選ぶのではなく、習いたい先生で選ぶのが良いよ」とアドバイスをいただきました。

高校生の時は、音楽が学べるならどこでも良いと思っていましたが、音大に行くときは、誰に習いたいかがとても重要です。

私の生徒が、音大に行くと言ったら、いろいろな大学の模擬授業などを受けて、つきたい先生を丁寧に考えるようにアドバイスします。

 

その他に音大に行って良かったことをお聞きすると

「音楽を学ぶプロセスから生き方を学ぶ」という深いワードが出てきました。

「音楽を極めるときに出てくる問題解決能力や、うまくなるプロセスが、実際に社会に出てから役立つ」

このことは、ピアノ教室でも同じだと思っていて、ピアノがうまくなることも大事だけれど、ピアノを練習するプロセスを通して、問題を見るける力、解決方法を考える力、解決まで継続して努力する力、解決できた時の達成感を感じることなど、人生で役立つ力を身につけられるのが音楽の良いところです。

そんな力を、音楽を学びながら育む音大はやはり魅力的だと私は感じました。

 

音大の学費問題

音楽を学びたい人なら是非行きたい音大ですが、何がハードルが高いかというと、学費の問題だと私は思います。

私も、「この学費を払って、それを回収するだけの才能があなたにあるの?」と言われ、断念しました。

音大の学費が高いのは、一般の大学と同じ一般教養を学ぶ上に、実技などに月謝がかかるからです。

私の母が言った通り、現金で学費を回収しようと思うと、よほどの才能がないと難しいでしょう。

しかし、大学で学んだことが無駄になるかと言えば、そんなことはないと思います。

大学にいた間、大好きな音楽が学べてそれがその人の幸せなら、体験として十分回収できたと考えて良いのでは。

音楽をする環境が整っている大学で学べることは、とても価値ある時間なのではないでしょうか。

「大きなお金はかかるけれど、他では出来ない音楽を体験する。それがその人の幸せなら、お金をかける価値はある」

そう私は考えます。

しかし一方で、私の家のように本当に学費が払えなくて音大に行けないご家庭があるのも事実です。

 

次に、音大でなくては音楽を学べないのかについて考えました。

 

音大を出なくても音楽は学べる

私は、教育学部の野外教育を専攻していますが、大学時代は電子ピアノを買い、アパートでピアノを弾き続けました。

大学を出て、ピアノ講師を始めてからは、大学以上に無我夢中で学び、信頼できる師匠に出会えました。

結論から言うと、インターネットの力で、音大に行かなくても十分に学べる環境があり、音楽を学べます。

大学は興味のない話も勉強しなくては単位がもらえないのに対して、自分で学ぶのは好きなことをとことん追求できます。

「一つのことを深く深く掘ると、それに繋がる知識がどんどん広がっていき、ちょうどドリルの穴のように大きな穴が掘れる」というけーさんのたとえ話は言いえて妙だと思うのですが

「音楽大学は、深く掘る前にさまざまなことを広く浅く学ぶので、大きな穴を掘るのは難しいでしょう。」とけーさんは話します。

大学に行かなくても、自分に合った先生を見つけることは可能です。

整っていない環境だからこそ、鋭く深く輝くものを創れることがあります。

また、もしピアノの先生になりたい生徒さんで学費の問題で音大に行けないご家庭があれば、私は音楽大学ではなく、いろいろな体験ができる先をおすすめします。

ピアノの先生というのは1対1で生徒さんと向き合いますが、ピアノの先生の世界観が生徒さんに与える影響はとても大きいです。

これからの時代、ピアノの先生に必要なのは「専門性の高さではなく、世界観の広さ」とけーさんも話します。

その世界観の広さが生徒さんの可能性を掘り起こしていけるのです。

音楽は、「誰が一番上手に弾けるか」ではなく、「一人一人の音楽の持ち味を楽しむ文化」だと思います。

その持ち味というのは、その人がしてきた体験、プロセスから来るものです。

中には、お医者さんだけど患者さんのためにピアノを弾く人や、パティシエだけど店でトランペットを吹く人がいるように、音楽は誰でもどこでも出来るツールです。

音大にこだわらずに、一生かけて音楽を学ぶこと、演奏することは可能です。

私は、もし、学費の問題で音大に行くことを断念しなければいけない環境にあるならば、音大は断念しても、音楽を学ぶことは断念しなくて良いんだよということを、生徒さんに伝えます。

人の数だけ物語があるように、音楽への関わり方の道を一緒に考えるのも、ピアノ講師の役目かもしれませんね。

 

生徒が音大に行きたいと言ったら

以上のことを踏まえて、生徒が音大に行きたいと言ったら私はこれをします。

・音大に行ったらどんなことが学べるのかを確認する

・音大に行かなくても音楽が学べることを伝える

・音大に行く学費を用意できるかを確認する

・生徒の気持ちを丁寧に聴く

・生徒の気持ちに沿った未来を一緒に考える

・音大に行かなければいけない理由を明確にする

・もし、音大受験を決めたのであれば、受験に必要なことが学べる適切な先生を紹介する

 

音大を出ても出なくても、社会人になっても音楽が出来る道はたくさんあります。

私もカフェのコンサートで演奏させてもらっています。

生徒さんが音楽を続けていくうえで何が一番最適なのか、それは生徒さんの中に答えがあることなので、生徒さんに寄り添い、これからも音楽で幸せになる方法を一緒に考えていきます。

参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

asanoyukari

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ピアノ講師。ピアノ教室を通して教育としての音楽を考える。0歳からの音楽会にピアニストとして携わる。大学は教育学部の野外教育を専攻。野外音楽会を企画中。興味の...

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